SISTER. - かみさまとばけもの


 昔々ある所に、何でもできるかみさまと何もできないばけものがいました。





 かみさまは人間に愛されていました。
 人間の欲しいものを全て知っていたからです。
 しかし、ばけものは人間から嫌われていました。
 人間の見たくないものを全て知っていたからです。

 人間は言いました。
「かみさま、我々を助けて下さい」
 更に、こうも言いました。
「ばけものなんて、さっさと捨ててしまいましょう」

 かみさまは首を縦に振ろうとはしませんでした。
 人間が大嫌いだったからです。
 傍らのばけものは俯いて、一言も話をしようとはしませんでした。
 人間を愛していたからです。



 ある時、人間は叫びました。
「ばけものを殺せ」
「かみさまを守れ」

 それがかみさまへの愛の示し方だと、信じて疑わなかったのです。

 ばけものは抵抗もせず殺されました。
 ただかみさまを見つめ、泣いていました。





 ばけものが死ぬと、かみさまはせかいを綺麗に消し去りました。

 躊躇無く。
 塵一つ残さず。

 かみさまが好きだったのは、あのばけものだけだったのです。



 そんなふたりは、姉妹でした。
 ずっとずっと、――――変わること無く。





>>>「唯一無二論」




<<<back  **   Top  **   Menu  **   next>>>

2008.2.8  藍咲万寿